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第2回 『PEファンドで働く人々』

PEファンド後のキャリア

最後にPEファンド後にどのようなキャリアを進むことが多いのかについても書いておこう。金融やコンサルの世界に戻っていく人はどちらかといえば少数派で、筆者がインタビューした限りでいうと、多いのは次のような仕事だといえる。

まず、ハードスキルを磨いた結果としての次のキャリアとして、事業会社のCFOやヘッジファンドへの転身がある。ビジネスを理解しつつ、財務に強い人材は日本企業にはあまり存在しないため、PEファンド出身者は事業会社のCFOとして重宝される傾向にある。また、投資先とのコミュニケーション等に気を遣わず、純粋に知的な好奇心を最大限に満たしたいという人の中には、ヘッジファンドという選択肢をとる人もいる。

次に、PEファンドで働いていると、投資家にリターンを還元するという最重要任務とともに、事業への興味や事業運営のやり甲斐に気づくことも多い。結果として、より深く事業の中に身を置きたいという思いから、プロ経営者に転身しようという人や、自ら起業するような人もいる。

それ以外としては、その後のキャリアをゆっくりと考えるために留学という選択肢をとる人々もいる。

結びに

実際にPEで働いてみて著者が一番意外に思ったのは、PE業界の中にはいわゆる「いい人」の比率が高かったことだ。実際に著者が入社する前には、働いている人々の経歴を見て、とても頭が切れて舌鋒鋭く批判を繰り広げるような人々の集まりなのではないかと思っていたが、全くそんなことはなかった。多くの人が宴会芸を一つや二つ持っていたり、年末の忘年会で行われる新人芸大会のクオリティが異常に高かったり、といった印象のほうが強く残っている。これは特定のファームにおける固有の特徴ではなく、意外と各社ともにこういった三枚目的なカルチャーのところが多く、それが日本という場所においてこのビジネスをする人々にとっての必要な進化の形であるのかもしれない。

著者プロフィール 慎 泰俊(しん・てじゅん)

五常・アンド・カンパニー 代表取締役
モルガン・スタンレー・キャピタルおよびユニゾン・キャピタルを経て現職。2007年にNPO法人のLiving in Peaceを設立し、カンボジアやベトナムなどで日本初の「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」を企画するとともに、国内児童養護施設の支援を実施。Global Shapers(世界経済フォーラム)などに選出。囲碁六段、本州縦断1,648kmマラソン完走。東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。

◇主な著書
『15歳からのファイナンス理論入門』(ダイヤモンド社) 2009年
『ソーシャルファイナンス革命』(技術評論社) 2012年
『外資系金融のExcel作成術』(東洋経済新報社) 2014年

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